2025年Sカレで商品化案件として採択された、関西学院大学・石淵ゼミの段ボール製スマホホルダー「らくラック」
学生と美販の共同プロジェクトとしてブラッシュアップを重ね、このたび実際の商品として形になりました。
※Sカレ冬カンでの商品化決定までの記事は『こちら』
・アイデアから「棚に並ぶ商品」へ
冬カンでの採択後、「らくラック」は学生主体の企画から、「関西学院大学石淵ゼミ×美販」の共同プロジェクトへと移りました。
段ボール設計の見直し、強度と組み立てやすさの調整、量産を前提とした寸法の最適化。
そして「どこで、誰に届けるか」という販路の検討。
企画書の中にあったアイデアを、実際にお客様の手に渡る商品へ引き上げていく工程です。
その一つひとつに学生が関わり続けたことが、今回の取り組みの一番の特徴だと感じています。

・学生が「市場」と向き合った3つのプロセス
美販がSカレを通じて提供したいと考えているのは、学生のみなさんが実際の市場と接する機会そのものです。
「らくラック」のプロジェクトでは、大きく3つの場面でそれが形になりました。
① 市場調査 ― 数字で課題を確かめる
学生たちはInstagramや街頭でのアンケートを通じて調査を実施。
夜行バス利用時にはスマホでの視聴が習慣化していること、特に推し活ユーザーにとって移動時間が重要なコンテンツ接触時間になっていることを確かめました。
「なんとなくそう思う」で終わらせず、調査で裏づけを取ってから設計に進む。
このプロセスがあったからこそ、商品化の判断ができました。

② 商品開発 ― 実車を調べて汎用性を持たせる
企画段階では、実際の夜行バスで本当に使えるのかを重視。
バス会社や車両仕様についても調査を行い、仕切りカーテン付きの車両が多くを占めることや、スマホの利用が明確に禁止されていないことを確認したそうです。
さらに座席背面の取っ手についても調べ、市場の約90%が同一規格サイズであることを把握。
その代表規格をもとに設計することで、多くの夜行バスで使える汎用性を持たせています。
あわせて、バッグの隙間に入れて持ち運べる薄型仕様に。
ライブ遠征や旅行に「ついでに持っていける」形状にまで落とし込みました。

③ 販路・PR ― 「どこで売るか」まで考える
学生チームは、単なるアイデア提案に留まらず「どこで販売・配布するか」という販路まで検討しました。
20代女性の書店利用率が高いこと、アイドル雑誌の購入層との親和性が高いことに着目し、書店での展開可能性を提案。

その結果、株式会社文教堂様で販売されることになりました。
企画した本人たちが、売り場を想定し、提案し、実際に置いていただけるところまでたどり着く。
学生のうちにこの一連の流れを経験できることは、大きな財産になるはずです。

・学生から教わった、新しい視点
一方で、今回の取り組みは美販にとっても学びの多いプロジェクトでした。
「推し活」という切り口から移動時間の課題を掘り下げていく発想は、正直なところ、私たちだけでは出てこなかったものです。
段ボールをつくる会社として、私たちはどうしても「箱として成立するか」「量産できるか」という視点から物事を見てしまいます。
そこに、 「この時間を、誰が、どんな気持ちで過ごしているのか」 という生活者としての視点が加わることで、企画の輪郭がはっきりしていく。
学生のみなさんは、自分たちが当事者としてリアルに感じている不便や欲求を、そのまま企画の起点にできる強さを持っています。
そのまっすぐな課題意識に、私たちが段ボール設計・量産性・コストバランスといった実務の視点を重ねていく。
産学連携は「企業が学生に教える場」だと思われがちですが、実際は双方向です。 今回のプロジェクトは、そのことをあらためて実感させてくれる機会になりました。
・美販がSカレに取り組む理由
美販がSカレへの参加を続けているのは、学生のみなさんに次のような機会を提供したいと考えているからです。
商品開発:アイデアを図面と試作に落とし込み、量産できる形まで詰めていく経験
市場調査:思い込みではなく、調査データをもとに企画を組み立てる経験
PR・販路開拓:つくった商品をどこで、どう届けるかを考え、実際に提案する経験
そして同時に、私たち自身が新しい視点に触れる場でもあります。
学生のみなさんの発想は、段ボールやパッケージの可能性を社内だけでは気づけない方向へ広げてくれます。
・まとめ
「らくラック」は、学生が自分たちの実感から課題を見つけ、調査で裏づけ、試作を重ね、売り場までを考え抜いた商品です。
美販はその過程に、段ボールメーカーとしての実務的な視点で伴走しました。
アイデアが商品になり、店頭に並ぶ。
その一連の流れを学生のみなさんと一緒に体験できたことを、とても嬉しく思っています。
美販は今後もSカレをはじめとした産学連携を通じて、学生の学びとチャレンジを支えながら、段ボールやパッケージの新しい可能性を社会に届けていきます。
※「らくラック」の商品詳細は、実績紹介ページ『こちら』でもご紹介しています。
