こんにちは。営業部の宮口です!
以前、ワインボトルを発送するケースを制作させていただきました。ワインボトルは繊細で割れやすいため、発送ケースとなると輸送中に破損しないための工夫が必要です。今回は”割れ物の梱包設計”という視点でお話させていただきます。
今回の設計の課題は、とにかく”ワインボトルをしっかりと保護するケース”を作るということ。
ワインボトルを保護する3つのポイント
ワインボトルには2箇所ほど割れやすい場所があります。ボトルの肩部分と、底から立ち上がった下の部分です。ボトルを作る際にその2箇所は薄くなってしまい、軽い衝撃でも割れやすいのです。
また、今回のケースの素材はE段というダンボールの中でも薄め素材を採用しています。美粧性の高い印象に仕上げられるため、ギフトケースなどによく使用されますが、薄くなればなるほど緩衝性は低くなります。お客様のご要望で、見た目にもこだわりたいというお話だったため、E段でかつワインボトルをしっかり保護できる設計を考えました。
設計のポイントは大きく分けて3つとなります。
①ワインボトルの上部で固定する
②緩衝材として片段を使用する
③底の空間保持をすることで衝撃を吸収する
それでは、ひとつひとつ説明いたします!
①ワインボトルの上部で固定する
輸送中や運搬中に、ワインボトルが揺れないよう、パッケージ上部を固定し「振れ止め」にしました。また、フラップで天面を押さえることで、上下の動きも固定しています。フラップは通常、折り曲げずに少し空間をあけた長さになっているものがほとんどなのですが、今回は固定するため、フラップを折り曲げることで厚みを出し、上下をしっかりと固定します。
ダンボールの段目が見えないように折り込みを入れるなど、見た目にもこだわって設計しました。
②緩衝材として片段を使用する
今回は片段ボールというシートを2枚緩衝材として使用しています。片段ボールは通常のダンボールと違い、巻くことができるフレキシブルなダンボールで、緩衝材としてよく使用されます。この片段ボールをボトルに巻きつけて使用することでボトルを保護しました。ボトルのサイズが変わっても、片段の巻き数を調節することで箱のサイズにぴったりと梱包できるという利点もあります!また、紙製なため環境に優しく処分が簡単な点もオススメするポイントのひとつです。
③底の空間保持をすることで衝撃を吸収する
底面はフラップをくるくると巻き、少しだけ空間が空くように設計しています。
言葉だけでは伝わりずらいと思うので、断面が見えるようにケースを切ってみました。横から見るとこんな感じになっています!
”緩衝性の高いケース”と一口に言ってもお客様のご要望によって梱包形態は変えることができます。
安全に輸送したいけど、パッケージの見た目にもこだわりたい!そんなお客さまは、一度美販へご相談ください。用途やサイズに最適なパッケージをご提案いたします。
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